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【競馬評論家・田原基成】「冬競馬の攻略ポイントおさらい」

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競馬予想の魅力に取り憑かれ10年以上。ファンにその魅力を伝え続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野では競馬本を執筆するほど。また、先につながる視点や情報を予想に組み込んでいることから「見ているだけで勉強になる」と評判で、単発にとどまらない長期的な目線での予想力向上に一役買う。本では伝え切れなかった部分を余すことなくお伝えします。

先週から「競馬のカリスマ」予想の仕様が大幅に変わった。私が伝えられたのは【重賞+自信の一鞍】【太鼓判】【イベント】の最低4レースを出すとのこと。私自身もっと仕組みを理解しなければならない部分だが、自信の一鞍は土日とも的中し、太鼓判は回収率100%超え。最低限の結果を残せたのは収穫と言えるだろうか。

さて、今回のテーマは「冬競馬の攻略ポイント」について。

冬競馬は一年のなかでも特殊な開催。馬場、気候、天候、芝質、砂質……どのファクターも異彩を放つ。前提として、まずはこの違いを意識すべきだ。

そのほか注目すべきは、中山・阪神において前回開催からの間隔が短い点。例として秋の中山→東京替わり、阪神→京都替わりをみると、東京・京都は前回開催から3カ月以上の“休み明け”で施行されるのだ。

先ほど気候の話をしたが、中間の気温や天気によって芝の生育状態が変わる。ダートも凍結防止剤が撒かれることで少なからず変化は生じてくるだろうし、それが時計面に及ぼす影響は決して小さくない。

話が逸れてしまうが、今年のジャパンCは2分23秒台の決着。レース後に「馬場が硬い」とのコメントが聞かれていたが、週末を好天で迎えられたことが好時計決着の呼び水となった。面白いのは、同じような気候の京都が時計のかかる馬場だった点。今開催の京都芝は路盤が例年よりしっかりしていなかったことが想像できる。ある意味“ノーカウント”としたい異質な年だ。

では、冬の中山・阪神開催はどうか?

オール野芝で施行される2場の開催は10月頭に終了。そこから約2カ月の間隔で施行されるローテーションは毎年のことだが、前述の通り今年の秋はヒドい天候に見舞われた。その影響から、芝が十分に生育されていないのでは……という仮説が浮かび上がる。

中山については、2014年に路盤改修を行ったことで馬場傾向が激変。外回りコースを中心に差しが決まりやすくなった。変化を示す数字がこちら。

・2012-2013年12月中山芝1600mでの上がり3F最速馬→勝率11.8%、複勝率44.1%
・2014-2016年12月中山芝1600mでの上がり3F最速馬→勝率30.0%、複勝率60.0%

以前のイメージを当てはめると、中山芝=内枠の先行馬狙いがセオリー。しかし、この数字をみれば路盤改修前のセオリーが通用しない馬場であることは明らかだ。「イメージのズレ」は、競馬予想において天敵。開催前のこのタイミングで情報を整理し、脳裏に焼き付けておかなければならない。

競馬予想で怖いのは、直近の自分の予想に引っ張られることだ。例えば無警戒の逃げ馬が抜けてしまった、外国人騎手を軽視し万馬券を逃してしまった……至らなかった部分を反省して次に活かすスタンスは重要だが、開催替わりはすべてをリセットするもの。私の感覚で言えば、冬の中山芝は田辺裕信の“庭”であり、阪神芝は川田将雅の“庭”。切り替える部分は切り替えて考えないと余計なイメージを引きずってしまう。

もうひとつの攻略ポイントは冬の気候。

昨年のチャンピオンズCで10番人気3着と波乱を演出したアスカノロマン。14着に敗れたみやこSを経由し臨んだこのレース、ヒントは冬実績にあった。1月の東海Sを制し、2月のフェブラリーSも3着……その実績が“みやこS14着”によって隠されてしまったというわけだ。

振り返れば、2015年勝ち馬サンビスタも前年4着と冬の中京ダート適性は証明済み。戦前、冬競馬で馬券圏外がなかった2014年2着馬ナムラビクターもそれに該当するだろう。注目度の高いビッグレースですらこの傾向が出ているのだから、見逃しがちな平場は“宝の山”。考えすぎかもしれないが【太鼓判レース】新設の意味はその山を探り当て読者に伝えてほしい、との意図か。

いずれにしろ、私が予想をお披露目する場が増えたのは競馬予想の魅力を伝え競馬スキル向上を図るうえで有り難い話。広い予想視野を持ち、週末に向けてしっかりと準備をしていきたい。

(2017年11月執筆)
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