田原基成の予想

【VIP】競馬評論家・田原基成 京都記念/共同通信杯/小倉11R 関門橋S予想

【京都11R 京都記念】

「本当に京都記念か?」

失礼を承知で言うが、これが出走馬を確認したときに頭に浮かんだことだ。

2月に行われる伝統の別定GII。手頃な頭数も相まって、ドバイミーティングへの壮行レースに選択する陣営も少なくない。ハープスター、ジェンティルドンナ、ウオッカ……いずれもここをステップに世界へと戦いの場を求めている。

そんなレースだからこそ、私は京都記念が大好きだった。

なぜ好きか……理由はシンプル、前述の3頭はすべて馬券圏外に敗れているから。連続開催で施行される冬の京都、馬場悪化が進行する芝に追い討ちをかけるかのようにこの時季集中する雨、そして雪。切れ味を削ぐには十分すぎるシチュエーションだ。はっきりとした馬場差が波乱を生む呼び水となっているわけだ。

今年の出走馬でドバイへの予備登録を行っているのは2頭(ステイフーリッシュ、マカヒキ)。だが、その臨戦過程はとても海外GIに挑む馬のものとは思えない。「京都記念経由ドバイ行き」は1頭もいないと捉えるのが自然だろう。

例年とは状況が異なる京都記念。

「予想軸」をどこに据えるかがポイントとなりそうだ。

ここで私が重視したのは距離&コース適性。純粋な馬の適性にロックオンしたうえで予想を進める。

まずはマカヒキ。

3年前のダービー馬は苦難の時を経て好走レンジに変化が生じたと私は思っている。時計のかかる洋芝で2着に入った札幌記念→瞬発力勝負で適性外のミッキーロケット、アルアインに歯が立たなかった天皇賞(秋)がそれを証明……この変化は見逃せない。

4歳世代の2頭は?

ステイフーリッシュは距離適性で区切るのがベター。典型的な中距離馬で、2000-2200mでは【2-1-2-0】。今回と同じ京都芝2200m重賞を制しているように、舞台替わりもプラスに働くはずだ。

除々に復調が窺えるタイムフライヤーは京都芝外回りでの圧勝歴あり。重馬場で突き抜けた内容から連想されるのは道悪巧者ぶりだ。いずれダートでも……と思わせる血統背景から、今の京都の荒れ馬は「鬼に金棒」。上位5頭の次走成績【2-2-0-0】連対率100%の菊花賞6着は賞賛に値する。

他にも昨年重賞2勝のパフォーマプロミス、一線級のメンバーと幾度となく覇を競ったダンビュライトなど名前を挙げればキリがない。この2頭もまた京都芝外回り適性好走歴を有しており、本命馬候補に頭を悩ませるレースと言えるだろう。

……と、ここで「切り札」として先ほど取り上げた距離&コース適性のファクターにもうひとつ追加したい。

「血統」だ。

これまで何度も書いてきたが、今の京都は極めて特殊な馬場。時計がかかり、上がりもかかる……春の京都芝とは180度異なるコンディションは好走血統の幅を押し広げるものだ。

血統を加味したとき、1番手に浮上したのはノーブルマーズ。

伝統的に、京都記念はトニービン持ちの馬との相性が良い。ラブリーデイ、デスペラード、アドマイヤフジ……この3頭は冒頭で挙げた「京都記念経由ドバイ行き」該当馬のレースで連対を果たしている。

ノーブルマーズ自身、2200m以上の京都芝外回りでは【1-2-1-2】掲示板外なし。前走日経新春杯は【9-9-14-10】の道中通過順が示すようにスムーズさを欠いたシーンが見られた。内枠成績【1-4-2-1】の同馬にとって、多頭数で外めの枠はマイナスでしかない。

オウケンブルースリ。
クィーンスプマンテ。
ジャガーメイル。
トーセンジョーダン。

父ジャングルポケットが輩出した京都芝外回りGI連対馬は数知れず。オウケンブルースリ、ジャガーメイルのように複数回好走した馬も多く、リピート属性は強い。東京を拠点としていた父ジャングルポケットとは異なる傾向が出ているのも血統の面白いところだ。

この舞台なら輝ける。ノーブルマーズの本命に迷いはない。

相手本線にはタイムフライヤーを。

繰り返しになるが、昨年の菊花賞上位5頭の次走成績は【2-2-0-0】連対率100%。ハイレベルレースでの6着は賞賛に値する。パワー・スタミナが強調された走りから、今の京都芝はこの馬に適した条件だ。

さらにはダンビュライト。

父系に内包されるトニービンの血筋に加え、2017-2018年にかけて冬競馬を連勝。近2走は上がりの速い競馬で持ち味を発揮することができなかった。一貫性の見えないローテーションは減点材料も、早め先頭の積極策なら面白い。

京都芝2200m重賞勝ち馬ステイフーリッシュまでを3連複フォーメーションの2列目としてケア。

【京都11R 京都記念予想の印】
◎2 ノーブルマーズ
〇11 タイムフライヤー
▲8 ダンビュライト
☆10 ステイフーリッシュ
△12 マカヒキ
△7 パフォーマプロミス
△1 ハートレー

【3連複/フォーメ】2-11,8,10-11,8,10,12,7,1(12点)

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【東京11R 共同通信杯】

本命はアドマイヤマーズにすんなり決まった。

無傷の4連勝の内訳は上がり3F33秒3の切れ味勝負に良馬場でも時計のかかる芝と多士済々。左回りも2度経験しているように、馬場・コース不問の馬だ。今後この馬を疑うタイミングがあるとすれば、右回りでコーナー4つの皐月賞だろう。

問題は相手。

実はこのレース、人気馬受難の傾向にある。ダノンバラード、ベルシャザール、ラウンドワールド、グレイル……これらの馬に共通する項目は「左回り未経験の関西馬かつ、上級クラスの内回りコースでの好走歴あり」。関西馬の項目を除けば皐月賞で求められる適性だ。

そして、今年の出走馬でそれに該当するにはクラージュゲリエ。

ゴールドシップのような例外もあるので一概に言い切れないが、少なくとも私の受ける印象は小回り巧者そのもの。だからこそ前走京都2歳Sは本命の印を打った。当時の一部見解を改めて記す。

(見解ここから)
同馬に騎乗するJ.モレイラについても補足しておこう。

この騎手の特徴は「勝負の早さ」にあると思う。マイネルファンロンとのコンビで2勝を挙げたレースぶりがその典型で、4角通過時には確実に勝負圏内を確保。ヴィクトリー・ポジションをとるためなら自ら動くこともまったく躊躇しないのだ。

「J.モレイラに先約あり」

クラージュゲリエが東スポ杯2歳Sではなく京都2歳Sを使われる理由はこの1点に尽きるだろう。鞍上モレイラがクラシックへの出走権を確実にするための「特効薬」だとすれば鞍上のスケジュールに合わせる臨戦過程も悪くない。北海道組の一角が確かな結果を残してくれるはずだ(見解ここまで)。

翻って、今回の鞍上は武豊。

実績は言うに及ばず、すべての面で申し分ない騎手。しかし、今回に限っては陣営に「試走」の意味合いが強いと私は捉えている。

初の関東圏、直線の長いコース、前が止まらない高速馬場の東京芝で4角4番手以内に押し上げたことのない脚質。先週きさらぎ賞を制した同じ池江厩舎のダノンチェイサー、同じキャロットファームのエングレーバーとの使い分けは容易に想像できる。

使い分けの真意が「経験値を積むこと」にあるのだとすれば……未知の領域に挑む今回、穿った見方をすれば「負けても仕方ない」状況にあるのだ。

高く評価すべきは、その対極に位置する馬。相手本線にはダノンキングリーを抜擢する。

個人的に前走レース時は半信半疑だったのだが、上がりのかかるタフな展開で余裕綽々の勝利。その一方で新馬戦は先行して上がり3F33秒4かつラスト3Fは11秒8→11秒2→11秒0の加速ラップ……現状、どのキャラが正解なのか掴みかねている。ただひとつ言えることとして、前走の勝ち時計はアドマイヤマーズをも上回る破格のパフォーマンス。肌感で得た強さを素直に評価したい。

【東京11R 共同通信杯予想の印】
◎4 アドマイヤマーズ
〇1 ダノンキングリー
△6 クラージュゲリエ
△5 フォッサマグナ
△7 ゲバラ

【3連複/フォーメ】4-1-6,5,7(3点)

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【小倉11R 関門橋S】

昨年90勝を挙げ、躍進を遂げた北村友一。その背景には計28勝を荒稼ぎした小倉開催の存在があったことに異論はないだろう。

日曜は東西で2重賞。東京にはルメール、デムーロ、武豊。そして京都には岩田、福永、川田、藤岡佑らがスタンバイ。辛らつな表現をすれば、北村友一は中央場所から「爪弾き」にされるような形で小倉へ参戦する運びとなった。

……が、悪いことばかりではない。

11鞍に騎乗する日曜小倉。そのラインナップを見ると軽く3-4勝は挙げられる馬質だ。層の厚い中央場所では騎乗馬のランクにバラつきがあるものの、ローカル開催は違う。そんな同騎手が選んだバティスティーニの評価を上げるのは当然のことだろう。

この馬について補足すると、本質的に小回り巧者だと思っている。連勝後、3着に入ったホープフルSまで使われたコースはいずれも直線の短いコース。2017年5月以降は意図的に得意条件を避け続けるかのようなローテーション……ようやくたどり着いた最高の条件に継続騎乗、ブリンカー着の外→内枠替わりが重なれば好走は約束されたようなものだ。

【小倉11R 関門橋S予想の印】
◎1 バティスティーニ
〇6 レノヴァール
▲11 カフジバンガード
☆3 アウトライアーズ
△7 アテンフェスタ
△12 ラセット
△5 チカノワール
△4 シャルルマーニュ
△2 メイショウフェイク

【3連複/フォーメ】1-6,11,3-6,11,3,7,12,5,4,2(18点)


【評論家・田原基成の太鼓判&イベント提供レース】
・東京10R→枠順も◎。人気薄濃厚な冬馬を狙い撃つ。
・小倉12R→◎は「開幕週に適した枠替わり」に注目。
・京都12R→ローテーションが◎。絶好の狙い目と判断。
・東京12R→この馬のターニングポイントは2走前。

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