田原基成の予想

【VIP】競馬評論家・田原基成 東京新聞杯/きさらぎ賞/東京10R 銀蹄S予想

【東京11R 東京新聞杯】

【1-4-0-7】勝率8.3%。

東京新聞杯を紐解く前に、意識しておきたいのがこの数字だ。

上記が示すものは過去10年の同レースにおける上がり3F最速馬成績。同じ東京芝1600mの安田記念は【3-2-3-3】勝率27.3%と、その差は歴然だ。

なぜ、このような「格差」が生まれているのか?

理由として挙げられるのは施行時期によるレース性質の違い。連続開催後半に行われる安田記念に対し、開幕週から数えて4日目に開催される東京新聞杯。馬場傾向の違いは誰の目にも明らかだろう。

改めてこのレースを見返すと、先行抜け出しタイプの馬が真っ先にゴール板を駆け抜ける姿が飛び込んでくる。レッドスパーダ、ガルボ、スマートレイアー、ブラックスピネル……勝ちパターンとして頭に入れておきたいところだ。

それを踏まえ、メンバーを見ていこう。

人気の中心は3頭。連勝中の上がり馬インディチャンプに重賞2勝馬タワーオブロンドン、東京芝1600m重賞勝ち馬ロジクライ。以下レイエンダ、レッドオルガ、サトノアレスと続いていく。

展開予想としてはテトラドラクマ、ショウナンアンセム、ロジクライが先団を形成。道中マクるようなタイプもおらず、淡々とペースは流れることだろう。

なお、私が展開のキーマンと捉えているのは田辺裕信だ。

東京マイルはロゴタイプをはじめ、幾度となく波乱を演出してきた舞台。中山マイルの田辺裕信がマクリ差しなら、東京マイルの田辺裕信は逃げ先行。「ふたつの顔」を使い分けるしたたかさがこの人にはある。

テトラドラクマとのコンビは昨年同時期にクイーンCを勝利。1000m通過57秒8は歴代最速タイと、当時は「肉を切らせて骨を断つ」ペースメイクを実践してみせた。控えて切れ負けした前走内容から、ここは肉を切らせて……の選択が妥当だ。

「高速馬場かつ激流」

このシチュエーションならロジクライだろう。

同馬の本質は4走前の中京記念にある。芝1600mの勝ちタイムの1分32秒3は中京競馬場のコースレコード。1000m通過57秒0の乱ペースを早め先頭で勝ち馬と0秒1のところに踏ん張った。

2走前の富士Sはマルターズアポジーの「アシスト」を受けて番手で気持ちよく追走。東京芝1600mはあの展開になると直線一気で突き抜けるのが困難になる。反対に昨年・一昨年のようなスローだと中距離タイプの差し馬が利を得るわけだが……。

もう一度言う。私がキーマンと捉えているのは田辺裕信。どのようなペースメイキングを選択するかによって結果は大きく変わる。同馬の逃げ残りを視野に入れつつ、ロジクライには富士Sの再現を期待したい。

相手本線にはサトノアレスを。

阪神Cこそまったく見せ場なく終わったものの、昨年同レース2着かつその後出走した安田記念は4着。サングレーザー、ペルシアンナイトに先着した内容を高く評価すべきだ。最内枠を引き当てた今年も昨年同様イン突きに勝機を見出したい。

テトラドラクマはこの位置。

理由はすでに書いたとおりだが、東京芝1600mの田辺裕信は怖い。むろん逃げ、もしくは早め先頭が好走の絶対条件だが、ルメールを基準に後方で差し馬が牽制しあう展開になれば残り目の可能性は十分だ。

いまだ底を見せていないインディチャンプ、東京芝1600m【2-0-1-0】馬券圏外なしのレッドオルガまでを3連複フォーメーションの2列目としてケア。

【東京11R 東京新聞杯予想の印】
◎10 ロジクライ
〇1 サトノアレス
▲3 テトラドラクマ
☆2 インディチャンプ
注6 レッドオルガ
△5 タワーオブロンドン
△15 レイエンダ

【3連複/フォーメ】10-1,3,2,6-1,3,2,6,5,15(14点)

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【京都11R きさらぎ賞】

ダノンスマッシュとエスティタート。
ラブカンプーとアンヴァル。

シルクロードSで明暗を分けた4頭の間には「距離適性の差」があったように思う。

全馬平等に1200mを走っているので厳密に言えばおかしな表現かもしれない。私が言いたいのは「馬場補正」、すなわち今の京都に求められるプラスアルファの距離適性だ。

1400mでの勝利実績があった前者。
1400mで勝利実績がなかった後者。

荒れた芝は正式な距離以上の適性を競走馬に要求する。そして、反対の立ち位置にいるのが距離適性ピッタリのスピードが問われるオール野芝だということも合わせて頭に入れておきたいところだ。ラブカンプーなどはその典型と言えるだろう。

それを踏まえ、きさらぎ賞を紐解いていこう。

パッと馬柱を見たとき、私は「西のNO.1調教師決定戦」の言葉が頭に浮かんだ。中内田充正、藤原英昭、池江泰寿……リーディング1.2位の調教師にJRA・GI19勝の名トレーナー。クラシック戦線に有力馬を送り込むことが義務付けられたといっても過言ではない3人が覇を競う。

中内田師の手駒はエングレーバー。

新馬戦、前走とそれぞれ異なる騎手で連勝。とりわけ新馬戦はスタートで大きく立ち遅れるロスを父譲りの機動力でカバーしてみせた。小回り適性は相当なもので、皐月賞における過去の激走馬を連想させる馬だ。この舞台がベストとは思わないが、賞金加算は必須課題。先週時点で今年の成績【9-4-1-6】複勝率70%と驚異的な成績を誇る厩舎だけに、生半可な仕上げではないだろう。

藤原英師からはヴァンドギャルドがスタンバイ。

致命的な不利を受けた前走ホープフルSは参考外で良いだろう。少頭数ならスムーズな競馬が期待できるが、東スポ杯2歳Sでラスト1Fの伸び脚を欠いた点が不安材料。ベストはマイルの印象で、スタミナが要求される今の京都芝に一抹の不安を覚えてしまう。

きさらぎ賞3勝の池江師からはダノンチェイサーが出陣。

2億円を優に超える値段が示すとおりの良血馬。重賞の舞台に上がることは当然とも言えるが、ひとつ引っかかるのはデビュー以降一度も中央場所を使われていない点。オルフェーヴルやラブリーデイ、ペルシアンナイトなどローカルを初陣の場所に設定するケースが珍しくない池江厩舎だが2戦目にはクラシック戦線を見据えた条件を使われる。「隙間を縫う」選択で勝ちを拾ってきた印象もあり、個人的に過大評価は避けたい。

私の視線は上記3頭にフォーカスされた。あとは冒頭で挙げた馬場傾向をブレンドし、結論を導き出す作業だ。

本命は決まった。

ここはエングレーバーから入る。

書きたいことは上で事足りたので補足の必要ないと思うが、2000mを使われ続けたレース選択に好感が持てる。繰り返しになるが、今の京都芝はプラスアルファの距離適性が求められる特殊な馬場。過去10年で前走2000m組は7勝……そのレース傾向に拍車をかける状況が生まれている点は見逃せない。

前提条件を踏まえると、2000mでの好走歴に加えて京都芝1800m実績が光るメイショウテンゲンも侮れない1頭。荒削りな面があり完成はまだまだ先だと思うが、末脚全開のこの条件なら評価を上げるべきだろう。

1800mにこだわり、適度な間隔をあけるローテーションに陣営の一貫性が窺えるアガラスが3番手。

【京都11R きさらぎ賞予想の印】
◎2 エングレーバー
〇8 メイショウテンゲン
▲7 アガラス
△3 ヴァンドギャルド
△6 ランスオブプラーナ
△4 ダノンチェイサー
△1 タガノディアマンテ

【3連複/フォーメ】2-8,7-8,7,3,6,4,1(9点)

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【東京10R 銀蹄S】

思わぬ敗戦を喫したイーグルバローズの前走。プラス10キロの馬体重、初の中山などさまざまな敗因が浮かび上がるが、私のなかでは「芝スタートだった」「自身より外に先行馬が揃っていた」この2点で解決している。オールダートのこの条件に加えて、馬番13-16番を引いた馬はいずれも前走道中10番手以下。条件好転のここは負けられない。

相手本線に抜擢したデンコウケンジャは休み明け初戦の3走前が破格のパフォーマンス。新馬戦を含め間隔をあけたときに「まだ見ぬ姿」を披露する傾向にあり、侮れない。舞台巧者ハルクンノテソーロ、この枠ゆえ「逃げ」の選択肢が出現したアディラートまでを3連複フォーメーションに設定。

【東京10R 銀蹄S予想の印】
◎12 イーグルバローズ
〇4 デンコウケンジャ
▲10 ハルクンノテソーロ
☆1 アディラート
△16 パイルーチェ
△3 クライシス
△2 メガオパールカフェ
△14 メリートーン

【3連複/フォーメ】12-4,10,1-4,10,1,16,3,2,14(15点)


【評論家・田原基成の太鼓判&イベント提供レース】
・東京8R→気付いていないかもしれないが、この馬の戦績は面白い。
・中京12R→陣営の青写真通りのローテ。ここは一変が望める。
・京都12R→【波乱も】展開利が見込めるアノ馬に妙味。
・東京12R→前走は度外視可能。ここは「リベンジ騎乗」に賭ける。

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