地方競馬コラム

地方班コラム「中央勢だけが強いのか?」(大井2000mの現状とジャパンダートダービー)

■中央勢だけが強いのか?


『ジャパンダートダービーの連対馬って過去10年、平均2分5秒2ですよ!!』

『大井2000mの連対平均(※)より全然速いじゃないですか!やっぱり勝つのは中央ですよ!!』

(※過去3年古馬を含めた連対馬平均は2分07秒9)


最近、地方班にやってきた編集部員の“若手くん”。

中央競馬は詳しくても南関東はまだまだ初心者。

「中央しか知らないのに“競馬に詳しい”って言うなよー(笑)」とイジられながらも日々奮闘中です。

で、そんな彼が今回ジャパンダートダービー(以下、JDD)の過去10年を調べたようで、それが冒頭のお話です。

タイムが速いから『中央勢が勝つ』というのは早合点な気はしますが、彼の言いたいことも分かりますね。


さて、そこで今回の地方班コラムは「平均タイムが2分05秒2って!?」を含めて、まずは別コラム「出走馬紹介」を前に、大井2000mの現状を少し考えてみます。


帝王賞週の『コラム【地方照灯】「大井2000m分析」』で掲載した通り、「過去3年」の古馬を含めた連対馬の平均タイムは2分07秒9です。若手くんはここを言っているのですね。

また、過去3年で「3歳戦の連対馬」に限った平均タイムは2分09秒0。

南関東馬のみや、レースレベルなど複数の状況から、古馬を含めるより遅くなるのは仕方ないでしょう。


一方、JDD(過去10年)は、全出走馬の平均タイムが「2分07秒8」。つまり、先述の「古馬」を含めた連対馬の平均に匹敵。

さらに、JDDの「連対馬」に限定した平均は「2分05秒2」と大幅に良くなります。

こうして見ると「JDDの時計は速いなぁ、やっぱり中央勢がいるからか…」となるかもしれません。

しかも、同じ3歳限定でも、JDDは中央勢も勝ち残ってきた馬ばかりと出走馬のレベルは高いです。若手くんの主張は理解できる部分があります。

ただ、地方馬と中央馬のどちらが勝つか? という以前に、現状の大井はここまで速い傾向ではないでしょう。

実はJDD過去10年の連対馬20頭中、走破時計の上位13頭は全て2014年以前のタイム。

残り7頭中6頭は2015年以降のタイム。ここを境に極端に傾向が変わります。

具体的には、
2014年以前、最速連対タイム2分03秒9。
2015年以降、最速連対タイム2分05秒6。

連対馬平均は、
2014年以前2分04秒9。
2015年以降2分05秒9。

実に「1秒」の差があります。

むろん走破タイムは、馬場状態やレース展開の影響を受けますので一概に言えません。単に馬の能力や世代のレベル差かもしれません。

ですが、連対各馬の3歳時の能力や世代レベルに極端な差があるとは思えませんし、また、ある一定年から傾向が変わっていることを踏まえると、求めるべき要因は、能力差よりも馬場差と考えたほうが自然です。

先日の帝王賞の勝ちタイムも2分04秒2。17年も2分04秒台。それ以前の8年間は2分01秒台から2分03秒台の勝ち時計。帝王賞は2015年以降から確実に遅くなったと断言できませんが、それでも近2年の2分04秒台は、それ以前と比べると要している傾向です。

つまり、JDDの過去10年の連対平均タイムが2分05秒2なのは間違いないのですが、それぞれの数字をひも解くと、その数字にとらわれる必要のない、大井の現状が見えてくるのです。


■各出走馬の持ちタイムをどう考えるか?

では、これらを踏まえると、今年のJDDはどうなるのでしょうか?

未来を予想する楽しさは競馬の魅力のひとつで本当にワクワクしますし、日頃は地方競馬と中央競馬に分かれて出走する馬が対決する一戦は、“比較の難しさ”というナゾに挑戦できます。レースが終わり、その答えが出るまで競馬ファンの冒険心がためされている一戦です。

さて、私の感触で編集部・地方班は、これまでの傾向から中央勢は、「東京ダ1600mは1分37秒未満」、「京都ダ1800mは1分53秒未満」、「中山ダ1800mは1分53秒5未満」の持ちタイムが欲しいという意見が優勢。

一方、地方馬は、東京ダービーで「2分07秒以下」ならチャンスありという意見が多めです。

17年のJDD1着ヒガシウィルウィンは東京ダービーで2分06秒9。16年のJDD4着のバルダッサーレは東京ダービーで2分06秒9。15年のJDD3着ラッキープリンスは東京ダービーで2分07秒5。14年のJDD2着ハッピースプリントは東京ダービーで2分05秒9。

昨年のヒガシウィルウィンを中心に東京ダービーから時計を縮める形でJDDでは上位に入線しています。

つまり、今年も前走から時計を詰めて上位をうかがう馬は出てくるかもしれません。
地方勢がアッと驚かす瞬間はあるかもしれませんね。


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