地方競馬コラム

【地方競馬】「ロジータ記念(SI)・血統」

■ロジータ記念・注目血統

ドルメロの魔術師ことフェデリコ・テシオは「繁栄した流行血統も三代もすれば勢いを失う」と考えた。

自身の生産馬は種牡馬も繁殖牝馬も積極的に外に出し、外からは新しい血を導入した。

フェデリコ・テシオは年間10頭ほどの生産からネアルコやリボーなど世界的名馬を生産した。

残した偉大な実績は、彼の生産論の正しさを示している。

だが、彼の生産したネアルコは、ナスルーラ、ロイヤルチャージャー、ニアークティックなどを出した。

それぞれの系譜は爆発的に広がる。

現在、サラブレッドはネアルコ系か否か。

もはや、流行の血統という枠を超えて、ネアルコは現代サラブレッドの大半を網羅する『ひとつの祖』と呼ぶべきだ。

皮肉な結果だが、フェデリコ・テシオが残したものは自身の考えを超越したほどに偉大である。


現在、「ネアルコ系」という呼称は一般的ではない。

ニアークティックから生まれたノーザンダンサー。彼は世界を制圧した。

ノーザンダンサーが生まれたのは1961年。日本ではシンザンが生まれた。

時を経て、ノーザンダンサーの系譜は多様性に富んでいる。

既にノーザンダンサー系をひと括りにする時代ではない。

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昨年のロジータ記念はゴールドアリュール産駒のステップオンダンスが勝利した。

ゴールドアリュール産駒は2015年に続き、近3年で2度目の制覇である。

ゴールドアリュールは父サンデーサイレンス、母父ヌレイエフ(ノーザンダンサー)

ヌレイエフ産駒、及びヌレイエフ系産駒は芝の短距離に強い。

中央の重賞勝ちは90年以降41勝。
全ていずれも芝である。

直仔シアトリカル産駒(ヒシアマゾン、タイキエルドラド)などを除けば重賞勝利の90%近くは2000m以下。

日本における代表産駒はスプリンターズSや安田記念を勝ったブラックホークなど。爆発的なスピードを長所にした。

だが、このヌレイエフ。サンデーサイレンスとの組み合わせはダート適性を示すことが多い。

成功例は、トゥザヴィクトリー、フサイチパンドラ、ゴールドアリュールなど。

トゥザヴィクトリーもフサイチパンドラもエリザベス女王杯の勝ち馬であるが、同時にダートの適性も示した。

特にトゥザヴィクトリーは勝利こそ無かったが、フェブラリーS3着、ドバイWC2着。一般的な重賞レベルのダート馬よりもハイパフォーマンスを見せた。フサイチパンドラも交流重賞2着があり、中央のダート重賞にも出走した。

ゴールドアリュールは純粋なダート馬とは言えない成績を残している。デビュー当初は芝で走り、日本ダービーも5着。差も僅かだった。

主戦場が芝かダートの違いだけであり、両方で示した適性の高さはトゥザヴィクトリーやフサイチパンドラと同じである。

サンデーサイレンス産駒でありながらダートに高い適性を示したゴールドアリュール。ダートに強い要因は複数あろう。しかし、同じ母父ヌレイエフのトゥザヴィクトリーなどが同様の傾向を見せている以上、その要素としてヌレイエフの存在を挙げることに無理はない。

父サンデーサイレンスは、ライバルのイージーゴアが大きなコースで強さを示したのに対して、タイトなコーナーでも加速できることを武器に米三冠を戦い抜いた。4コーナー、他馬を明らかに凌駕したサンデーサイレンスの加速力。そして、それを可能にした柔軟な筋肉。

しなやかな筋肉の遺伝は同産駒の大きな特徴だが、そこにヌレイエフの血が融合したとき、ダートコースにも十分過ぎるほどの適性を示し、同時に川崎のような小回りでもいかんなく力を発揮する。

今年のロジータ記念は、ピースフルエンゼル、ゴールドパテックと2頭のゴールドアリュール産駒が出走。注目だ。

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今回からスタートする「地方競馬・血統コラム」は不定期連載。

取り上げるレースは、当該週の南関東重賞が中心。

地方競馬コラムではあるが、多くの種牡馬は輸入もしくは中央競馬の出身。地方と中央の垣根は考えずに進めていきたい。

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文、編集部・地方班(木村)

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2018 ロジータ記念(過去10年データ)

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