地方競馬コラム

無念の1戦から4ヶ月 ヤマノファイト復権へ【埼玉新聞栄冠賞・見どころ】


■埼玉新聞栄冠賞・見どころ

・世代トップクラスの実力馬ヤマノファイト復権なるか?

10月24日(水)の「埼玉新聞栄冠賞(SIII)」(発走15:45)。

門別より転入したヤマノファイトは、緒戦となった年明けのニューイヤーC(SIII)から、京浜盃(SII)、羽田盃(SI)と主要な重賞を3連勝。

いずれも逃げ先行から上がり3ハロンはメンバー中最速。非の打ち所のない内容で完勝し、3冠初戦の羽田盃まで、世代のトップに君臨した。

しかし、1番人気で迎えた東京ダービーは外から切れ込んだ各馬の動きによって進路を塞がれ、ジョッキーが立ち上がる不利。中団に押し込まれる形で不完全燃焼。本来の走りができず7着に敗れた。

デビュー13戦目。地方馬同士では初めて3着を外す結果だった。

無念の東京ダービーから4ヶ月。

埼玉新聞栄冠賞の見どころは、復帰戦のヤマノファイトが古馬を相手にどんな走りをみせるかだ。


■ポイント1「ハイレベルな3歳世代」

JRA勢を含めて現3歳世代のダート路線は、トップに立つルヴァンスレーヴ(JRA)を筆頭に層が厚い。

ルヴァンスレーヴは前走のマイルCS南部杯でゴールドドリームに勝利。シリウスSは3歳オメガパフューム(JRA)が勝利。また白山大賞典も3歳グリム(JRA)がレコードで勝っている。

つまり、7月のジャパンダートダービー(以下、JDD)は、ルヴァンスレーヴ(1着)、オメガパフューム(2着)などが出走しており、相当にレベルの高い1戦だった。

また、JDDは2着オメガパフュームから4着までが同タイム。

オメガパフュームがその後にシリウスSを勝ったことを考えると、3着グレートタイム(JRA)、4着クリスタルシルバー(大井)もかなりの実力馬だ。

そして、地方勢に関してはクリスタルシルバーがJDDで4着。

クリスタルシルバーは東京ダービーで2着、JDDの次走・黒潮盃も2着。

当然、東京ダービーの勝ち馬ハセノパイロ、黒潮盃の勝ち馬クロスケといった南関東の3歳勢もクリスタルシルバーとの比較から相応の実力馬だ。

南関東3歳世代が「JRA勢に勝てる」といった単純な話ではないが、少なくとも地元のレースであれば、JRAの3歳世代が相手でも極端にヒケを取るようなレベルではないはず。それなりに善戦も可能な布陣だ。


■ポイント2「実力比較」

公式に発表されている「レーティング」によると、ルヴァンスレーヴはJDDで「112」、マイルCS南部杯では「116」。

フェブラリーSでノンコノユメ(1着)が「116」。ゴールドドリームはかしわ記念で「116」、帝王賞で「117」。

レーティング上でも、ルヴァンスレーヴは現役トップクラスだ。

さて、JDDでルヴァンスレーヴは「112」。

2着オメガパフューム・109
3着グレートタイム・109
4着クリスタルシルバー・108
5着テーオーエナジー・106

地方馬ではクロスケが102。

オメガパフュームはシリウスSで「107」。グリムは白山大賞典とレパードSがともに「109」。ルヴァンスレーヴが頭ひとつリードしているのは間違いないが、3歳世代のトップレベルは109前後となっている。

ヤマノファイトは不利のあった東京ダービーを除けば、クリスタルシルバーにもクロスケにも勝っている。春には世代のトップに君臨したほど。

仮にヤマノファイトがJDDに出走していれば、そのレーティングは幾つだったのか?102なのか、108なのか、それとも別の数字なのか。

推測でしかないが、それでもクリスタルシルバーやクロスケなどと同レベルの数値を出すだけのポテンシャルは秘めている。

能力全開であれば、実力比較から古馬が相手でも劣らないはずだ。


■ポイント3「古馬勢」

古馬勢は少々小粒のメンバー。トップクラスは不在だ。

しかし、昨年の勝ち馬カンムルは近走不振だが、好走実績のある浦和で巻き返して驚けない。

クラージュドールやグルームアイランドなどは年齢を重ねてはいるものの、実績は十分。今回のメンバー構成なら上位進出もありそうだ。

気になるのはトーセンデューク。今回は南関東に移籍して緒戦。JRAでは芝の重賞出走歴があり、昨年の京成杯オータムHは5着。カンムル同様、浦和ではとりあえず注意したい小久保厩舎。また鞍上は南関東トップジョッキーの森泰斗騎手。

初ダートに移籍緒戦と初物づくしだが、クリアすれば上位進出も。能力は注意したいレベルにある。


■レースのゆくえ

このメンバーならヤマノファイトが先手を奪いそうだ。古馬勢に近走で積極策をとった馬がいないのはプラスだろう。ただし、近走は控えているが、カンムルは昨年のレースで積極策をとった。直線の短い浦和。勝機のある馬なら良いポジションを確保したいはずだ。

スタートからコースを1周半。勝負所まで淀みない流れ。3角付近から各馬が動き出す時、おそらくヤマノファイトは前にいるだろう。

カンムルなどがヤマノファイトを目標に仕掛けてくるはず。この時、トーセンデュークがどんな手応えで終盤を向かえるのだろうか。これもポイントだ。

そして、ヤマノファイトにとっても今回は初めての58キロ。慣れない斤量を背負ってのレース。同馬にとっては、楽ではない状態で直線を迎えるかもしれない。


□2018年 埼玉新聞栄冠賞 出馬表


【地方競馬】2018 埼玉新聞栄冠賞(過去10年データ)

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文、編集部・地方班(吉田)

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